心から信じ合える相手、目指すものは違えど、お互いを心から応援できる相手、そんな「仲間」に出会える機会ってなかなかありません。
今回の「a yohakな人」であるジョニーさん(本名:増谷孝典さん)は、昔から絵を描きたかったわけではなく、いろいろな仲間との出会いの中で、絵を描くことに導かれていったようです。そして、現在ではペインター/アーティストとして活躍されています。
そんなジョニーさんを「a yohakな人」としてお迎えして、座談会を行いました。
a yohak(余白)それは問いを生む時間、考える時間。ぜひこの記事は、a yohakの美味しい和紅茶と一緒に楽しんで頂けたらと思います。
出会う確率の低さ
小さな頃から、自分1人でやる方がなんとなく向いていると感じていたジョニーさんですが、その感覚がはっきりとしてくるのは、大学に行ってからでした。
大学で一人暮らしを始めてから、ジョニーさんは、周りと自分とのギャップに気づき始めます。
"周りとは話が合わないって勝手に思っていました。みんなやりたいことについて、「俺はこれがやりたいんだよ」って言っていたのを覚えています。その時に、なぜだか、自分の居場所は、ここではないなと思ったんです"
この周囲への何ともいえないギャップ・違和感は、大人になるにつれて、ますます強くなっていきます。たとえば、そこにかける「熱量」のようなものが、人によっては変化していくような、そんな感覚も覚えてしまったようです。
そんな社会の中で、自分と似たような「匂い」のものを信じ続けて、しっかりと行動している人というのは、なかなか出会えないものだと、ジョニーさんは実感します。
"ちゃんと自分はこうだ、これを信じていくんだっていう人って、あんまりやっぱり出会わないですね。そこまで強い意志を持って、何かをやろうっていう人に会うことの難しさを感じています"
海外で出会った自分みたいな人たち
そんなジョニーさんの目線は、日本での大学生活を越えて、ずっと憧れていた海外へと向き始めるのでした。
いつしか海外留学を心に決めていたジョニーさんは、必要な単位を取得して、留学資金を自分で貯めて、すぐに海外へと旅立ったのでした。行き先は、ヨーロッパ、ロンドンでした。
ヨーロッパに行って、最初に感じた自分の変化は、「怒るようになった」ことでした。
"向こうにいって、すごい怒ることが増えました。日本では言わなくてもわかるし、ぐっと我慢しますけど。向こうの人達はあれなんですよ、僕の牛乳とか普通に飲むんですよ。その軽い摩擦あたりから、異文化コミュニケーションとしての摩擦が嫌いじゃなかったんです"
ジョニーさんは、自由奔放で自分勝手なヨーロッパの人たちの姿に、苛立ちを覚えるよりも、心地よさを覚えたといいます。そして、その姿を、こう表現するのです。
"それが人間の本当の姿なんだ"
その人間の本当の姿を見ながら、自分という軸がしっかりしている彼らを見て、自分は間違えていなかった、このままでよかったんだと、安心もしたようです。
"自分と同じような人たちがいっぱいいるのが、わかっただけでも行って良かった"
数えるくらいしかいない
このロンドンの留学から帰国後に、日本でも仲間が増えたのかというと、そういうわけでもなかったようです。
あの留学から20年近く経っていますが、ジョニーさんが友達・仲間と呼べる人は数えるくらいしかいないそうです。
しかし、それと同時に、ジョニーさんにとって、それは数の問題ではありません。それよりも、多くはなくても、深く、密に関われる人たちとの出会いに恵まれたことが、とても幸せなことだと教えてくれました。
"今生きてきたなかで、本当に数えるぐらいしかいない、本当に心地の良い、密な関係ができる人に、恵まれたってだけでもよかったなあと思います"
こうした大切な人たちに出会えたのも、あのロンドン留学の中で、軸をしっかりと持った人たちに囲まれて生活した経験があったからかもしれません。
小学校に入ると「友達100人できるかな」という歌を教えてもらいます。その背景には、その数が大事だという考え方もあるのかもしれません。しかし、そんな中でも、ジョニーさんは自分にとって、本当に心地よい相手を探し続けていたように思えます。
あなたにとって、そんな仲間との出会いはいつでしたか?その出会いのきっかけはどんなものでしたか?
ぜひ、a yohakの和紅茶を味わいながら、考えてみてください。
撮影協力:ゴンアルブル