大好きな地元の公園、あの人との大切な思い出の場所、地元の悪友たちの「いつもの場所」。人それぞれ、大切な場所はきっとあります。その場所に戻れば、全てを受け止めてくれるような場所が。
今回の「a yohakな人」であるジョニーさん(本名:増谷孝典さん)にとって、大切な場所は、留学中に出会ったある場所でした。現在はペインター/アーティストとして活躍されており、その大切な場所を一枚の絵にもされています。
そんなジョニーさんを「a yohakな人」としてお迎えして、座談会を行いました。
a yohak(余白)それは問いを生む時間、考える時間。ぜひこの記事は、a yohakの美味しい和紅茶と一緒に楽しんで頂けたらと思います。
海を見たくて、海沿いの大学へ
ジョニーさんとお話をしていると、空と海の話がよく出てきます。本当に、この2つが好きなんだろうなって、思わせてくれるくらい、よく出てきます。
そして、どちらの話をしている時も、ずっと楽しそうです。
もともと、中国地方の山間の町で育ったジョニーさんは、大学の進学先を海に近いという理由で選んだそうです。
そして、念願だった海が見える家に住み始めて、暇さえあれば海を見ていた。そんな生活を過ごしていたといいます。
そして、その目線はいつしか、海を超えて、海の向こうへまで伸びて行ったのでした。
"大学時代は、就職がどうとかというよりも、海の向こうが見てみたいという好奇心ばかりでした"
もしかしたら、海も空も、ジョニーさんにとっては、その向こうにある未知の世界への入り口のように感じていたのかもしれません。
廃墟から空へ
その遠くへという想いが実現したのが、その大学を卒業した後でした。ジョニーさんは、ロンドンの大学に編入します。
まさにずっと見ていた海を越えたのでした。
もっと面白いことがきっとある、その想いで渡った海外生活の中で、ジョニーさんが見つけた最高に面白いもの、それは廃墟からの眺めでした。
"まだ、僕がイギリスにいる、20数年前。警備とかもすごい甘かったんですね。廃墟とかをみつけて、夜中とか昼間に、監視の目をかいくぐって屋上とか、高いところまでのぼってました"
鍵のかけられていない古い建物を見つけては、屋上までのぼり、ロンドンの街並みを一望する。見知らぬ海外の街角で、外国人がその街を眺めている。それは、どんな感情だったのでしょうか。
"ロンドン、パリが、すごい良かった。本当に、すごい良かった。何が楽しかったって、それ(屋上にのぼること)が本当に楽しみでした"
1人でのぼり、1人で眺める。それはジョニーさんにとって、自分の中の何かを確かめる行為だったのかもしれません。
これからもずっと帰る場所
そんな海と空が大好きなジョニーさんにとって、一番特別な場所。それは、ある丘です。
留学をしていたロンドンから少し足を伸ばして、訪れたフランス、パリ。そこで偶然出会ったのが、その丘です。
その場所に立った時に、ジョニーさんは、人生で初めてデジャブ(既視感)を覚えたようです。
ここは、来たことがある、初めてなのに知っている、そんな感覚でしょうか。
"世界で一番好きな場所です。既視感、デジャブがそこだけだったんですね。それは多分、またそこに戻るんだなって。パリに行く時は必ず立ち寄ります。また戻る場所ですね"
ジョニーさんにとって、大切な場所は、フランスはパリにある丘でした。20何年も前に訪れて以来、フランスに行くたびにその場所へと「帰っている」そうです。
国内か海外かは関係なく、誰にとってもそんな忘れられない場所はきっとあると思います。あなたにとっての忘れられない場所はどこですか?
ぜひ、a yohakの和紅茶を飲みながら、思い出してみてください。
撮影協力:ゴンアルブル