自分自身について教えてください。そう言われたら、あなたはどんな説明をしますか?
会社員、主婦、大学生、〇〇出身、〇〇が趣味、などいろいろな説明の仕方があると思います。そして、そのどれをとってもなんとなく物足りないものだと思います。
今回の「a yohakな人」である岡村忠征さん(以下、岡村さん)のことを説明しようとすると、現在、art & SCIENCE Inc. というブランディングデザイン会社の代表をされていて、二児の父親、映画などのカルチャーが好きなど、いろいろな説明ができます。しかし、どれをとっても不十分な気がするのも事実です。
では、どうすれば自分のことをちゃんと説明できるのだろう?そんな問いについて岡村さんと話をしました。
a yohak(余白)それは問いを生む時間、考える時間。ぜひ、a yohakの和紅茶を楽しみながら考えてみてください。
a yohakがあるから話をしよう
岡村さんの話を聞きながら、私たちが感じていたことは、その人のことは話を聞いてみないとわからないということでした。
この当たり前のことを、改めて実感できるのが、このa yohakでの時間ならではだと感じました。
普段の生活の中でここまで、ひとりの人に向き合って話をすることなんて、ほとんどありません。だからこそ、とても有意義な時間でもあります。
岡村さんってどんな人だろう?
岡村さんとの座談会は3時間を越えるものとなりました。この長時間の座談会では岡村さんの話をたくさん聞くことができました。それは、今まで持つことができなかった貴重な時間でもあります。
その一方で、この3時間で岡村さんのことが、すっかりわかったかというと、それはまた別の話のような気がしています。
岡村さんとのお話はこれまでの3回のnoteにまとめてきました。岡村さんが地元で過ごした学生時代、岡村さんの人生の始まった感覚、そして、岡村さんの家庭。
たとえば、岡村さんには、地元での生活を居心地悪いと感じていた時期がありました。その時のことをこのように話してくれています。
"(仲の良かった友達の中で)まともに高校に進学した人は、僕ぐらいでした。だから、どこに行ってもちょっと居心地悪いと感じてて"
どこにいても周囲に完全には馴染み切れずにコンプレックスを抱えていた岡村さん。そんな生活の中、岡村さんの心をわしづかみにしたもの、それが映画でした。
その中でも、フランスの映画監督ジャン・リュック・ゴダールの映画に大きく影響を受けました。
"ゴダール(の映画を)見た時に、本当に何にも我慢しなくて良かった。これだっていう感じで、本当に打ちのめされた。自分の中でそこから、はっきりと、たったいま人生が始まったって感じがしました"
1本の映画、それが岡村さんにとっての人生スタートの号令だったと言います。
そんな青春時代を経た岡村さんは、現在、ブランディングデザイン会社の代表をされています。その一方、プライベートでは2人のお子さんを持つお父さんでもあります。
sns上で見かける岡村さんは、家族思いのいいお父さんに見えるのですが、岡村さん自身は、悩みながら、試行錯誤しながら、家庭を作り上げているといいます。
"正解の家庭を知らないと思っているから、わからないなって。僕は失敗しないように、かなり気を付けて生きてるつもりで"
3時間の座談会から見つけることができた岡村さんの一面をつづりながら思うことは、その人のすべてを書き尽くすことはできないということです。
自分とはなんだろう?
そういえば、岡村さんは、座談会の最初にこんな「問い」を語っていました。それは、自分とは何か?という「問い」でした。
"僕についていくら書いても、表現しきれない部分があって。どうしてもそれが、(表現)できない。でも、それこそが、自分という存在の固有性なんだと思う"
いくら自分という人間について、書いたり語ったりしたところで、その全てを捉えることはできない。岡村さん自身、そんな感覚を持ちながら、話をしてくれていたのかもしれません。
それと同じように、岡村さんとの座談会の話をいくら書き連ねても、岡村さんという存在を表現できるものはないのかもしれません。
私たちはこうやって、岡村さんのストーリーに惹きつけられ、魅了されながら、ここまで岡村さんについて書いてきました。
そして、辿り着いたのは、岡村さんとはどういう人なのだろう?という「問い」だったようです。
私たちは、相手のことをわかっている、自分のことをわかっていると思いがちですが、それと同時に、「自分」ってものがわかっていないことも知っています。
だからこそ、自分とは一体なんなのか。そんなことを問いながら、自分について、改めて考えてみるのも面白いかもしれません。
ぜひ、a yohakの和紅茶を楽しみながら考えてみてください。
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